【私の介護の失敗談】定期巡回サービス土屋板橋 管理者 志賀和弥
初めまして、定期巡回サービス土屋板橋で管理者をしております志賀和弥といいます。
今回は素敵な管理者さんの影響で私の介護に関する失敗談についてお話しようと思います。
私が自立支援についてより深く考えるきっかけになったエピソートであり、考え方が変わってからケアに対する価値観を変えることができました。
介護に携わる方もそうでない方もお読みいただけると嬉しいです。
私が自立支援についてより深く考えるきっかけになったエピソート
私は定期巡回サービス土屋板橋に配属される前、グループ会社の有限会社のがわで勤務していました。認知症の利用者様を専門的に支援するグループホームという施設で介護職員として日々の支援に携わっておりました。
グループホームで働きながら『自分の価値観を押し付けて利用者の気持ちを尊重していない』状態に陥ったエピソードをお伝えさせて下さい。
私が当時働いていて感じた課題として「お風呂に入っている頻度が少ない」というものがあり、解決するために他の業務を手際よく終えて時間を作る、他の職員と相談しながら入浴者以外の業務を分担するなどの工夫をし、入浴の機会を増やしていました。
その中で、お風呂に入りませんかというお誘いによくお断りをされる利用者様がいらっしゃいました。しかし、その方は衛生的に不安な時もあり、他の方より入浴頻度が少なかったのです。その様な利用者様を見て『お風呂に入って気持ちよく生活してほしい』と思う様になりました。
その気持ちで利用者様に関わると多少強引にお風呂にお誘いするようになります。何とか入ってもらっていて、それを自分でも良いことだと思っていました。そんな私に上司は「本人の気持ちを無視してお風呂に入れるのはどうかな?」という言葉をもらいました。
他の職員が入浴介助でその利用者様の笑顔を引き出しているのを見て、『自分のケアは自己満足で、利用者様の気持ちを尊重できていなかった』ことに気づきました。
なんとなく週に2回は入浴すべき。この様な考え方を利用者に押し付けている私のケアは利用者の為ではなく自分の価値観を尊重するための行動だと自覚した時は罪悪感でいっぱいでした。
その後、私も上司や他の職員の様に利用者様の気持ちを尊重しながらケアしたいと思う様になり、何度かトライしましたがすぐには上手くいきません。自分では気を付けているのですが、中々笑顔でお風呂に入ることに繋げられませんでした。他の職員の関わり方で気を付けている点を伺ったり、実際にその職員の支援を見てどの様に利用者様の言葉や気持ちを引き出しているかを考えることが増えました。何度かトライして初めてその方のお風呂に行くという言葉を引き出してから入浴介助ができた日は、お風呂が昔から好きだったことや、友達と通っていたことなどをお話してくれました。
それからは利用者様がお風呂に行くという言葉を引き出すことに頑張るようになりました。気持ちよく入浴まで気持ちが乗っても、途中で機嫌を損ねてしまうことも多々あり、色んなことに気を付けてもその方が気持ちよくお風呂を終えられる日ばかりではありません。むしろ気持ちよく終えられる方が少ないくらいで、日々失敗を繰り返し、利用者様の姿から自分の失敗を探すことの方が多かったです。
ですが、利用者様の気持ちに目を向けることで介護者の価値観を押し付けることは少なくなってきた様に思います。前より笑顔を見る機会が増え、自分の関りにより不快な表情をされることが少なくなりました。
利用者様が自分の気持ちとタイミングで日常生活の中で選択することを尊重することの大切さを上司・同僚・利用者様、施設で関わる様々な方から教わりました。
そんなグループホームを離れて、現在私は定期巡回サービス土屋という在宅介護の事業に携わっています。
在宅でもタイミングと気持ちで選択することを尊重しながら関わることはとても大事な事だと感じています。
介護者側で必要なことを判断しながら、利用者様の選択を尊重して日々支援する内容が変わることもあります。
利用者様の在宅生活に携わりながら、日々の変化や選択に寄り添いたい。定期巡回サービス土屋板橋でも職場全員で利用者様の気持ちに目を向けながら働いておりますので、これからも沢山の事を周りの方から教わることができると思っております。
同じ気持ちの仲間が増えて、より多くの在宅生活を支えていきたいです。今後とも周りの力を借りながらみんなで利用者様の気持ちに寄り添っていきますのでよろしくお願い致します。