在宅看取りで感じた後悔。どのようなポイントに注意して在宅介護を行うべき?

大切な家族の旅立ちが近づいて来ると「最期の時をどのように過ごすか」と悩む方は多いかと思います。

元気な頃のクライアントから意思の提示があった場合はなるべく意向に沿いたいとは思うものの、実際には何が正解なのか分からないと悩んでしまいますよね。

またクライアントが終末期に対してどのような考え方を持っていたのかが分からない場合も、家族として頭を悩ませてしまいます。

厚生労働省が2018年に公表した調査結果によると、一般国民の69.2%が自宅で最後を迎えることを希望していますが、在宅看取りを選択した場合、もしくは在宅看取りを選択しなかった場合で、どのような後悔が生じるのでしょうか。

今回の記事では家族の看取りを経験した方々が感じている、在宅看取りに関する後悔と、後悔を少なくするためのポイントについてご紹介していきます。

【参照】人生の最終段階における医療に関する意識調査(厚生労働省)

目次

在宅での看取りを選択しない、という考え

先ほど多くの方が住み慣れた自宅からの旅立ちを希望しているという調査結果をご紹介しましたが、死亡される場所として自宅はそれほど多くありません。

厚生労働省が2022年に発表した統計によると、ここ数年で自宅で死亡された方の割合は若干増加傾向にあるものの、病院と比較するとその数は1/4にも届いていません。

実際に在宅での看取りが実現しない要因としては、医学的な問題ももちろんありますが、やはり家族の負担という部分も大きくなってきます。

特に高齢や認知症を理由に介護認定を受けており、また旅立ちが近いクライアントの場合は、昼夜を問わず介護のサポートが必要な状態で、例えば仕事をもつ家族などでは対応を担いきれないケースがあります。

住環境の問題や家族の生活確保という観点から現実問題として、在宅での介護を諦めるというご家庭は非常に多いのです。

【参照】第3回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ(厚生労働省)

在宅で看取らないことに対する後悔

自宅以外の場所でクライアントを看取った時、クライアントが在宅看取りの意思を持っていたと分かっている場合はやはり大きな後悔を感じます。

「本人は家に帰りたがっていたのに、私たちの努力が足りなかったのではないか」「病院に駆けつけたが臨終に立ち会えず、もし自宅で介護をしていたら立ち会えたかもしれない」と自身を責めてしまうご家族の方も見られます。

またクライアントが在宅看取りの意向を示しておらずとも、「自宅ならば最期まで自分らしく過ごせたのではないか」「住み慣れた自宅なら、もっと穏やかに旅立てたのでは」という想いを共有してくださった方も少なくありません。

看取りに正解はありませんが、傾向として病院や介護施設で過ごすクライアントの場合は緊急時に間に合わず、後悔が残りやすくなっています。

在宅での看取り

「本人が希望していたから」「大好きだった自宅で、最期に家族水入らずの時を過ごしたいから」と、在宅での看取りを希望される方も近年は増加傾向にあります。

特に2000年から始まった介護保険制度によって訪問介護や訪問看護などのサービス提供体制が整備されたことから、自己負担額を抑えながらも在宅看取りができる環境が整いつつあります。

在宅看取りがクライアント自身の希望である場合はもちろんのこと、家族の存在や温かさを感じながら穏やかに過ごすことのできるひと時は、クライアントにとっても家族にとっても安らぎとなります。

在宅看取りを選択したことによる後悔

しかしながら在宅看取りを選んだ場合でも、後悔を感じる方は少なくありません。

最も多い後悔としては、介護疲れです。

家族で分担するとはいえ、24時間365日体制の介護を行うなかで家族に疲労が蓄積したり、私生活の多くを犠牲にせざるを得なかったというご家族もいらっしゃいます。

特に近年問題となっているのは介護離職です。

在宅看取りを選択したものの介護期間が長期間にわたってしまった場合、また適切な介護のサポートを受けられなかった場合、家族の誰か一人に負担が集中してしまった場合などに介護離職は起こりやすいと考えられています。

さらに介護疲れからクライアントに優しくすることができない時間があった、もしくは精神的に辛くなってしまい自身に鬱症状が残ったという声も聞かれます。

自分にとって大切な存在が死に向かっている在宅看取りの期間は、介護の問題がなくとも精神的に負荷のかかりやすい時期です。

そのため家族自身も休息を取りながら、心身を健康に過ごすことを意識する必要があります。

在宅看取りを巡って、後悔しないために

在宅看取りにおいて後悔を残さず、笑顔でクライアントを送り出すためにはどのような点に留意すればよいのでしょうか。

在宅看取りが可能か、ケアマネージャーに相談する

「在宅看取りをしない、という後悔をしたくない」「クライアントは在宅看取りを希望しているけれど、できるか不安」と感じている場合は、担当のケアマネージャーに相談し、利用できる介護サービスの内容や量を確認しましょう。

クライアントの介護度にもよりますが、看取りが視野に入ってくる段階であれば利用可能な介護サービスの量は多くなると考えられます。

実際にケアプランを作成してもらい、本当に在宅看取りができそうか今一度家族で話し合ってみましょう。

全てを家族で抱え込まない

在宅看取りを選択したからといって、クライアントに対する介護の全てを家族だけで担う必要はありません。

必要に応じて訪問介護や訪問看護のサービスを利用し、家族自身の生活も尊重しながら家族として最期の団らんを過ごすことが、在宅看取りの本来のあり方です。

特に終末期の在宅看取りに活用していただきたい介護保険サービスが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護はサービスの利用回数や利用間隔の制限なく、必要な定期巡回サービスを1日に複数回お願いできるほか、緊急時の問い合わせと訪問、また訪問看護の利用までがサービスに含まれています。

料金も介護度によって月額固定制となっていますので、家計への負担を気にすることなく、在宅看取りのサポートを行ってもらうことが可能です。

在宅看取りは、後悔のない選択を

大切な家族の旅立ちを迎えるにあたって、画一的な正解の形はありません。

それぞれの家族にベストな形の看取りがあり、在宅介護もそのうちの一つです。

定期巡回土屋では、後悔のない在宅看取り、後悔のない介護生活をしたいと考えているご家族に対して定期巡回・随時対応型訪問介護看護という形で寄り添います。

在宅看取りを検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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