定期巡回と併用できないサービスがあるってホント?定期巡回の利用ルールを徹底解説。

自宅に暮らし続ける要介護クライアントに対して、必要な介護サービスを24時間体制で届ける仕組みが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。

超高齢化社会を迎えた日本で進められている「地域包括ケアシステム」の中核を担っているサービスで、今後は今まで以上に需要が高まると考えられています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は4つのサービスから構成されている介護保険サービスになっていますので、内容が重複する他の介護サービスなど、一部併用できないサービスがあります。

そこで今回のコラムでは、定期巡回について詳しくご紹介しながら、定期巡回と併用できないサービスについてご説明いたします。

目次

地域包括ケアシステムとは

内閣府の発表によると、2019年時点で日本の総人口に対する65歳以上人口の割合は28.4%となっています。

今後も総人口の減少が予測される一方で高齢者の人口比率は増え続けると予想されており、より少ない生産人口で多くの高齢者をサポートする必要のある将来が見えています。

年齢を重ねるごとに身体機能の低下や認知症の発症、脳卒中などの後遺症といったリスクが高まると、多くの高齢者は日常生活に対してサポートが必要な状態、いわゆる「要介護」と認定されます。

要介護と認定されるクライアントが増え続ける中で、クライアント一人ひとりがなるべく長く住み慣れた自宅での生活を継続することができるよう、また自分らしく暮らすことができるようサポートする仕組みが、地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムの中核を担う定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域包括ケアシステムの中心ともいえる介護保険サービスです。

特に日常生活のなかで身体介護や生活援助を必要としているクライアントに対して、自宅へ訪問することによって年中無休の介護を提供する定期巡回は、地域密着型の介護サービスとしてなくてはならない存在です。

また随時対応・訪問の提供体制が整っていることによって、自宅で暮らしながらもしもの事態が起こってしまったらという不安を和らげることができると評判です。

さらに定期巡回・随時対応型訪問介護看護には訪問看護のサービスまで含まれていますので、例えばインスリン注射や点滴などの医療的な措置が必要となるクライアントであっても、自宅生活の継続という選択をすることが可能になります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利点

定期巡回・随時対応型訪問介護看護における最大のポイントは、サービスの利用回数や利用時間帯に関わらず、月ごとに一定の利用料金でサービスを利用できるという点です。

深夜や早朝にお願いしたい身体介助がある場合、通常の訪問介護では時間外の加算がついてしまったりそもそもサービスを利用できないというリスクがあります。

定期巡回サービスであれば料金を気にすることなく必要な介助を依頼することができますので、クライアントの心理的・金銭的不安を軽減することができます。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護には併用できないサービスがある

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する上で最も注意しておきたい点は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と併用できないサービスがあるというルールになります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護には24時間365日体制の訪問介護である「定期巡回」、緊急時にオペレーターに問い合わせを行う「随時応対」、随時応対の内容に緊急性があると判断された場合の「随時訪問」、そして看護師が療養上のケアなどを行う「訪問看護」の4サービスから構成されています。

この4サービスと重複した介護保険サービスを利用することができなくなっていますので、注意が必要です。

定期巡回と併用できないサービス①指定訪問介護

指定訪問介護は、居宅介護サービスの代表的なサービスの1つです。

都道府県や市区町村に指定された事業者から「ホームヘルパー」と呼ばれる訪問介護員が自宅を訪問して、食事や排せつなどの介助を行う身体看護や、生活に必要な家事などを手伝う生活援助といった介護サービスを提供します。

この指定訪問看護は、定期巡回とサービス内容がほぼ同じとなっています。

そのため定期巡回・随時対応型訪問介護看護と指定訪問介護に関しては併用できないサービスということになります。

定期巡回と指定訪問介護を併用できる例外

ただし定期巡回と指定訪問介護が併用できる例外的なケースとして「通院等乗降介助」が挙げられます。

通院等乗降介助は、その名の通り病院などへの通院などで車に乗り降りする必要が有るクライアントに対して、乗降の介助を行う介護サービスです。

この通院等乗降介助は定期巡回のなかで提供していないサービスになりますので、指定訪問介護事業所によって通院等乗降介助(99単位)が提供された場合は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基礎単位に、利用しただけの99単位を加算することができます。

定期巡回と指定訪問介護は、どちらを使うべき?

定期巡回と指定訪問介護は併用できないサービスですので、自宅生活を送るうえで居宅系の介護サービスを探している場合は、どちらか1つを選ぶ必要があります。

深夜や早朝に訪問してもらう必要はない・希望している利用回数が少ない・緊急時の通話などは必要ない、というように感じられている場合は指定訪問介護の方が自己負担金を抑えることができるかもしれませんので、一度ケアマネージャーに相談してみましょう。

定期巡回と併用できないサービス②指定訪問看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は基本の4サービスの中に訪問看護サービスが含まれています。

そのため定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用しながら、指定訪問看護サービス(訪問看護Ⅱ1~4など)を併用することは出来ません。

定期巡回と併用できないサービス③指定夜間対応型訪問介護

定期巡回で提供されるサービスは、昼夜を問わず24時間体制となっています。

そのため指定夜間対応型訪問介護で提供される介護サービスは定期巡回サービス内にほぼ同一のものが含まれていることになり、定期巡回と指定夜間対応型訪問介護の併用はできません。

定期巡回を提供する際は、併用できないサービスに要注意!

今後の日本でさらにニーズが高まると予想される定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴と、併用できないサービスについてご紹介いたしました。

定期巡回は地域包括ケアシステムの中核として、24時間365日体制でクライアントの自宅生活を支える仕組みが整っています。

したがって内容が重複する指定訪問介護や指定訪問看護などは併用できないサービスになりますので、注意が必要です。

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