介護サービスを在宅で利用したとき。費用はどれくらい必要なの?

2023年に総務省が発表した推計によると、日本の人口は1億2442万人となっており、そのうち75歳以上の後期高齢者は初めて2000万人を超えて2005万人となり、人口の16.1%を占めています。

また介護保険が適用になる65歳以上の高齢者にまで視野を広げると、その数は3623万人で人口の29.1%つまり約3.5人に1人が高齢者という時代を迎えているのです。

超高齢化が進行すると、まず大きな社会課題になってくるのが要介護クライアントの増加です。

介護は主に年齢を重ねると共に低下する身体機能や認知機能の影響、また年齢と共に発症のリスクが上がる認知症や脳卒中などの影響を受けて必要になることが多く、高齢者の人口比率が増加するということは、介護を必要とする方の人口比率が増える可能性を孕んでいます。

そこで今回は誰もが身近に迫っている介護という課題に対して、介護サービスを在宅で利用した際の費用という観点からご紹介していきます。

自分自身もしくは家族が在宅で介護サービスを利用して生活を継続する場合、一体どの程度の費用が必要になるのか、あらかじめ把握しておきましょう。

【参照】Ⅰ 高齢者の人口(総務省統計局)

目次

介護保険制度の仕組み

介護保険制度は、2000年に始まった社会保険制度の一つです。

基本的には65歳以上の方を対象にしており、高齢や認知症を理由に介護が必要となったクライアントに対して、少ない自己負担で介護サービスを受給することができるような仕組みになっています。

介護が必要な状態であっても自立した生活を送りたいと考えるクライアントの意志に寄り添い、家族の大きな負担を減らしながら地域全体でクライアントをサポートすることを目的としています。

介護保険制度の費用

介護保険制度においては、まずそれぞれの介護サービスの内容や提供時間に応じて「単位」を設定しています。

介護サービスを提供する事業所の人員体制、休日夜間のサービス提供における割増、事業所の所在地などに応じて単位を加減算して算出したものを「介護報酬」とします。

この介護報酬のうち、基本的には介護保険で9割が賄われ、1割を自己負担として支払う必要があるのです。

またこの自己負担1割が適用されるのは、それぞれの介護度によって定められた支給限度の範囲内と決められています。

支給限度

介護保険が適用される上限である支給限度は、以下の通りです。

区分支給限度介護サービス費(月額)の目安利用者負担額(月額)の目安
要支援15,032単位50,320円5,032円
要支援210,531単位105,310円10,531円
要介護116,765単位167,650円16,765円
要介護219,705単位197,050円19,705円
要介護327,048単位270,480円27,048円
要介護430,938単位309,380円30,938円
要介護536,217単位362,170円36,217円

この単位数を超えて利用した介護サービスに関しては自分自身で全額を支払う必要がありますが、支給限度内であれば複数の介護サービスを組み合わせて利用することも可能です。

支給限度を超えた場合の費用について

支給限度を超えて介護サービスを利用した場合、費用は10割負担となってしまいます。

しかしながら高額医療・高額介護合算療養費制度の対象として、毎年8月から翌年7月までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担額を合算した金額が高額になった場合に関しては、払い戻しの対象となります。

具体的な自己負担限度額は、月給や所得に応じて細かく規定がありますので、詳しくはケアマネージャーに相談しましょう。

初めて利用する在宅の介護サービス。費用の目安はどれくらい?

実際に介護保険制度の利用を始めるときは、まず自宅で受けられる介護サービスから使い始める、という方も多いと思います。

自宅にアテンダントが訪問する形で利用する介護サービスのことを、介護保険制度では「訪問型サービス」と区分します。

訪問型の介護サービス費用の相場を確認しておきましょう。

訪問型介護サービス①訪問介護

アテンダントが自宅を訪問し、身体介護(食事・入浴・排泄の介助や、体位変換など)と生活支援(調理・洗濯・掃除などの家事、薬の受け取りなど)を中心としたサービスを提供します。

訪問介護はクライアントの状態によって必要なサービスの時間が大きく異なるため、サービスの提供時間によって料金が規定されています。

例えば1単位10円の地域でサービスを利用したケースを参考に、料金を確認していきましょう。身体介護を20分以上30分未満利用した場合の基本単位は250単位で自己負担1割は250円、30分以上1時間未満利用した場合の基本単位396単位で自己負担1割は396円となります。

ただし支給限度を超えて利用する場合はそれぞれ1回あたりの訪問介護料金として2500円、3960円を自己負担で支払うことになります。

訪問型介護サービス②訪問看護

訪問看護は、看護師をはじめとする医療従事者がクライアントの自宅を訪問し、かかりつけ医の指示に基づいて療養上の世話や投薬、医療デバイスの管理などを行うサービスです。

最期まで自宅で暮したいというクライアントの意志に寄り添って、ターミナル期の世話や看取りを行ったり、クライアント本人や家族からの栄養相談への対応をしたり、また医療的ケアの指導をおこなったりします。

訪問看護も訪問介護同様に、在宅で利用した介護サービスの時間によって料金が定められています。

こちらも訪問介護と同様に、1単位10円の地域で利用したケースを想定して比較してみましょう。例えば看護師による30分以上60分未満のサービス提供を受けた場合の基本単位は821単位で自己負担1割は821円、同じく60分以上90分未満のサービス提供を受けた場合の基本単位は1,125単位で自己負担1割は1,125円です。

支給上限や費用を気にせずに在宅の介護サービスを利用したいのであれば、定期巡回・随時対応型訪問介護看護がおすすめです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問介護の4サービスを利用頻度や利用時間帯(休日や夜間)に関わらず、包括的な料金制度で利用することが可能となっています。

看護師による訪問看護あり准看護師による訪問看護あり訪問看護なし
要介護18,312単位(8,312円)8,146単位(8,146円)5,697単位(5,697円)
要介護212,985単位(12,985円)12,725単位(12,725円)10,168単位(10,168円)
要介護319,821単位(19,821円)19,425単位(19,425円)16,883単位(16,883円)
要介護424,434単位(24,434円)23,945単位(23,945円)21,357単位(21,357円)
要介護529,601単位(29,601円)29,009単位(29,009円)25,829単位(25,829円)
※()内は自己負担が1割のときの請求金額

「家族と別居しているので、夜間も見守りをお願いしたい」「娘夫婦と同居しているが共働きなので、朝早くから夜間まで頻回の介護サービスを自宅で利用したい」という方は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用することによって、上記の基本単位のみの請求となります。

費用面の心配がなく、必要量の介護サービスを受給することで安心して在宅介護を続けることが可能な定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、定期巡回サービス土屋で提供しております。

詳細はお気軽に定期巡回サービス土屋までお問い合わせください。

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