訪問介護サービスの料金と費用のガイド|費用負担を軽減する方法も紹介

「訪問介護サービスの料金はどのくらい?」
「訪問介護サービスや在宅介護にかかる費用はどのくらいかかる?」
「訪問介護サービスの費用負担を軽減する方法が知りたい!」

このような疑問や悩みはありませんか?

訪問介護サービスは介護保険適用されるサービスを受ける場合、安い料金でサービスを受けられますが、他にも負担軽減できる制度があります。

また、正確な料金設定は自治体や都道府県などでも異なりますが、今回は目安としてどのくらいかかるのかを紹介します。

目次

介護保険適用の訪問介護サービスの料金設定

介護保険適用の訪問介護サービスの料金設定について解説します。

介護保険適用の訪問介護サービスでできること

料金設定を伝える前に、まずは介護保険適用の訪問介護サービスでできることを紹介します。

生活援助

生活援助は日常生活の身の回りの世話をしてくれるサービスです。

受けられる具体的なサービスは以下があります。

  • 調理
  • 洗濯物(回す・干す・取り入れる)
  • 衣類の整理整頓
  • 生活に欠かせない買い物
  • 普段服用している薬の受け取り など

注意していただきたいのは、これらのサービスはクライアント本人への提供しかできないことです。

クライアントが食べる料理と家族で食べる料理を一緒に作ってもらったり、家族の分の洗濯をしてもらったりはできません。

もし、家族の分もお願いしたい場合は、介護保険適用にはならないため民間の訪問サービスを利用する必要があります。

身体介護

身体介護とはクライアントの身体に直接触れて行う介護サービスのことです。

受けられる具体的なサービス内容には以下があります。

  • 衣服の着替え
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • トイレ誘導
  • 体位変換
  • オムツ交換
  • 排泄介助
  • 身体の清拭
  • 車椅子の移乗介助

身体介護の内容は、ケアプランの作成時に洗い出したことを実施してもらいます。

訪問介護サービスが利用できる時間と、その時間に割り当てられた介護サービスが細かく決められています。

時間に割り当てられているサービス外のことは基本的にお願いできないため、その場合は家族が身体介助をしなければなりません。

通院等乗降介助や通院・外出介助

通院・外出介助は通院や選挙、市役所や区役所への申請手続きなどで移動が必要なクライアントをサポートするサービスです。

通院等乗降介助は通院が必要なクライアントに行うサポートで、ヘルパーが運転する車両で通院時送迎を行う場合の乗降介助と乗降前後の移動介助を行います。

介護タクシーは、訪問介護「通院等乗降介助」に該当します。

車椅子を利用する場合も、車椅子専用の車で送迎してくれるため心配はいりません。

介護保険制度に基づく料金

介護保険制度が提供する訪問介護サービスの料金目安、状況に応じて加算される料金について解説します。

利用料金の目安

訪問介護にかかる基本的な利用料金は、サービス内容や利用する時間や地域区分などによって変動します。

介護保険制度に基づく訪問介護サービスを利用する場合は介護保険が適用され、1割・2割・3割の自己負担で済みます。

ちなみに、2割や3割負担は、一定以上の所得があるクライアントのみに適用されるため、基本的には1割負担です。

利用料金は、サービスごとに設定された単位に1単位あたりの単価をかけることで求めることができます。

1単位あたりの単価は地域によって異なるため、今回は1単位を10円として計算します。

利用時間単位利用料金自己負担額
生活援助20分以上45分未満1831,830円1割:183円 2割:366円 3割:549円
45分以上  2552,550円1割:255円 2割:510円 3割:765円
身体介護20分未満  1671,670円1割:167円 2割:334円 3割:501円
20分以上30分未満2502,500円1割:250円 2割:500円 3割:750円
30分以上1時間未満3963,960円1割:396円 2割:792円 3割:1,188円
1時間以上1時間半未満5795,790円1割:579円 2割:1158円 3割:1,737円
通院等乗降介助1回あたり99990円1割:99円 2割:198円 3割:297円
参考:厚生労働省 介護報酬の算定構造

状況に応じて加算される料金

基本的な料金のほかにも、緊急対応などにより加算される料金もあります。

  • 初回加算:訪問介護サービスを利用するときに加算される
  • 夜間・早朝加算:18時〜22時の夜間または6時〜8時までの早朝の利用にする場合に加算される
  • 深夜加算:22時から翌日6時までの深夜に利用する場合に加算される
  • 緊急時訪問介護加算:緊急で訪問介護を利用する場合に加算される

上記のように、日中以外に利用する場合や緊急時に利用する場合はヘルパーへの負担が増えることもあり、加算される対象となります。

介護度別|訪問サービスを利用した在宅介護費用の目安

介護保険サービスを利用する場合、介護区分が高くなるほど費用がかかります。

基本的に月額でかかってくる費用は以下の3項目です。

  • 介護サービス利用料
  • 食費・光熱費
  • 紙おむつなどの生活必需品(消耗品)

加えて、在宅介護をする際は、一時費用として以下も加わります。

  • 介護用ベッド
  • 車いす・杖・歩行器
  • 自宅のリフォーム など

上記の内容も踏まえつつ、以降では介護度別にかかる訪問介護やその他サービスを利用した場合にかかる費用の目安を紹介します。

あくまで目安なので、確実な費用は利用する事業所に確認してください。

要介護1の費用目安

要介護1の在宅介護費用の目安は以下のとおりです。

  • 訪問介護:月1回につき3,420円
  • 訪問看護:月1回につき5,210円
  • 訪問リハビリ:月1回につき3,340円
  • 通所介護:月1回につき7,230円
  • 介護保険による介護ベッドレンタル:1か月8,060円

上記内容のサービス利用合計費用は1か月27,260円です。

そのうち自己負担の金額は、1割負担の場合は2,726円、2割負担の場合は5,452円、3割負担の場合は8,178円となります。

参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

要介護2の費用目安

要介護2の在宅介護費用の目安は以下のとおりです。

  • 訪問介護:月1回につき3,370円
  • 訪問看護:月1回につき5,150円
  • 訪問リハビリ:月1回につき3,340円
  • 通所介護:月1回につき8,370円
  • 介護保険による介護ベッドレンタル:1か月13,770円

上記内容のサービス利用合計費用は1か月34,000円です。

そのうち自己負担の金額は、1割負担の場合は3,400円、2割負担の場合は6,800円、3割負担の場合は10,200円となります。

参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

要介護3の費用目安

要介護3の在宅介護費用の目安は以下のとおりです。

  • 訪問介護:月1回につき3,230円
  • 訪問看護:月1回につき5,250円
  • 訪問リハビリ:月1回につき3,360円
  • 通所介護:月1回につき9,610円
  • 介護保険による介護ベッドレンタル:1か月 16,660円

上記内容のサービス利用合計費用は1か月38,110円です。

そのうち自己負担の金額は、1割負担の場合は3,811円、2割負担の場合は7,622円、3割負担の場合は11,433円となります。

参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

要介護4の費用目安

要介護4の在宅介護費用の目安は以下のとおりです。

  • 訪問介護:月1回につき3,170円
  • 訪問看護:月1回につき5,460円
  • 訪問リハビリ:月1回につき3,370円
  • 通所介護:月1回につき10,560円
  • 介護保険による介護ベッドレンタル:1か月20,100円

上記内容のサービス利用合計費用は1か月42,660円です。

そのうち自己負担の金額は、1割負担の場合は4,266円、2割負担の場合は8,532円、3割負担の場合は12,798円となります。

参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

要介護5の費用目安

要介護5の在宅介護費用の目安は以下のとおりです。

  • 訪問介護:月1回につき3,390円
  • 訪問看護:月1回につき5,870円
  • 訪問リハビリ:月1回につき3,320円
  • 通所介護:月1回につき11,670円
  • 介護保険による介護ベッドレンタル:1か月24,280円

上記内容のサービス利用合計費用は1か月48,530円です。

そのうち自己負担の金額は、1割負担の場合は4,853円、2割負担の場合は      9,706円、3割負担の場合は14,559円となります。

参考:概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

費用負担の軽減方法

在宅介護を選択した場合、訪問介護サービス以外にも併用して複数のサービスを利用する方が多い傾向です。

その場合、支払いもその分高くなるため、費用負担を軽減できる制度を利用することをおすすめします。

訪問介護サービスを利用する場合

  • 高額介護サービス費
  • 高額医療・高額介護合算制度
  • 社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

が利用できる可能性があります。

【高額介護サービス費】
所得に応じて区分された上限額よりもサービスに支払った費用が多い場合に払い戻しされる制度です。

【高額医療・高額介護合算制度】
公的医療保険の同世帯内で公的医療保険・介護保険の両方で自己負担が生じた場合に合算後の負担額を軽減できる制度です。

【社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度】
低所得かつ生計が困難な方の利用者負担額を軽減する制度です。
利用条件は各市町村や自治体などで異なる場合があるため、詳細は各市町村・自治体に確認してください。

訪問介護サービスの料金や費用は要介護度が上がるほどかかってくる

訪問介護サービスの基本料金設定は自治体によって異なりますが、要介護度によってもサービス料金が変動します。

要介護度が上がるほど業務が広がったり、高度なスキルが必要なサービスが出てきたりするため費用はかかりやすくなります。

とはいえ、介護保険が適用されるため、一定以上の所得がなければ1割負担です。

もし、2割負担や3割負担になったとしても、条件を満たせば以下の制度が利用できます。

  • 高額介護サービス費
  • 高額医療・高額介護合算制度
  • 社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

必要なサービスをよく検討して絞ったり、制度を利用したりして経済の負担を減らしながらプロに頼っていきましょう。

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