定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位ってどうなるの?介護報酬改定を再確認!

介護保険サービスの料金を決定する「介護報酬」は、提供するサービスの種類・クライアントの要介護度によって決められる「単位(点数)」と、地域ごとの物価や人件費を考慮した「単価」によって、その金額が決められます。

今回は改めて学んでおきたい定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位を、2021年の介護報酬改定を踏まえながらご説明していきます。

「現在アテンダントとして定期巡回随時対応型訪問介護看護に従事しているけれど、単位のことがよくわからない」という方や、「一度習ったはずだけど、単位について記憶があやふや」という方は、必見です。

目次

介護報酬を決定する、単位と単価

介護報酬は、介護保険制度に基づく規定のことです。

クライアントの介護施設や介護サービス利用が行われると、介護サービスを提供した事業所に対して介護保険制度から報酬が支払われる決まりになっており、これを介護報酬と呼んでいいます。

また介護報酬の基準額の1割程度がクライアントの自己負担金額となるため、介護報酬を正確に計算することは、クライアントの負担を平等にする上で重要となってきます。

介護報酬は一律ではなく、事業所の所在地域や、利用したアテンダントの要介護度などによって変動します。

この介護報酬の変動に関わるキーワードが、単位と単価です。

介護報酬に関わる単位

介護保険制度の中で単位は、1単位約10円に換算して考えることができる点数のことです。

単位は、介護事業所が提供するサービスの種類とクライアントの要介護度によって算出されます。

単位という概念が使われる理由

ここで疑問になってくるのが、なぜわざわざ単位という規定を設ける必要があるのかという点です。

「入浴介助1回●●円」「1時間の訪問介護で▽▽円」のように、料金を一律で固定してしまえば、計算がラクになるのではと考える方も多いのではないでしょうか。

面倒でも一度単位に置き換えてから介護報酬の計算をするのには、理由があります。

それが、地域格差の解消です。

人件費や事業所のテナント料、また物価などは、地域によって大きな差がありますので、全国一律の価格を制定してしまうと、地域によっては負担が大きすぎたり、十分なサービスを提供できない要因につながりかねないのです。

そのため日本の介護保険制度では、まずは単位を制定し、単位数と次にご紹介する単価をかけ合わせることで介護報酬を決定しています。

また人件費や物価の見直しは定期的に行う必要があるため、3年ごとに見直しが行われます。前回の改定は2021年でしたので、次回は2024年の見直しが予定されています。

介護報酬に関わる単価

次にご紹介するのが、「介護報酬=単位×単価」という公式の中の、単価の部分です。

介護サービスは、それぞれのサービス内容によって人件費の割合が異なります。

例えば訪問入浴に関しては1人のクライアントに対して1人以上のアテンダントが介助する必要がありますが、通所介護などの場合は3~4人程度のアテンダントで10人程度のクライアントに介護サービスを提供することも可能になっています。

そのような人件費の割合を、事業所の所在地も考慮した上で計算されるのが、単価になります。

具体例を見てみると、東京23区内で訪問入浴介護を利用する場合は、地域区分による上乗せが20%と、定期巡回の人件費割合70%の加算があるため、単価は11.40円となります。

定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位と単価

特に介護サービスの中でも、定期巡回随時対応型訪問介護看護に関しては月額制の介護保険サービスであることが特徴です。

月額制の定期巡回随時対応型訪問介護看護の場合は、どのような単位と単価の計算になるのでしょうか。

定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位

定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位は、事業所の種類によって単位数が異なります。

分かりやすく要介護1の場合の単位を、事業所ごとに比較してみましょう。

  • 一体型事務所(訪問看護なし)の場合……5,697単位
  • 一体型事務所(訪問看護あり)の場合……8,312単位
  • 連携型事務所(訪問看護なし)の場合……5,697単位

これらは2021年の介護報酬改定後の数字です。

クライアントは利用する定期巡回随時対応型訪問介護看護の事業所の種別によって、このような基本単位に単価をかけ合わせた額の1〜3割を自己負担額として、月額制で支払うことになります。

なお、自己負担額の割合はクライアントの収入によって変動します。

定期巡回随時対応型訪問介護看護の単価

定期巡回随時対応型訪問介護看護を利用する際も、その他の介護サービスと同様に地域ごとに単価の違いがあります。

例えば東京23区は1級地に該当しますので、定期巡回随時対応型訪問介護看護の人件費加算もあり、単価は11.40円です。

一方で7級地に該当する北海道札幌市や神奈川県箱根町などでは、単価が10.21円で計算することになります。

東京都23区と北海道札幌市で同サービスを受けた際の、介護報酬差

上記の情報に基づいて、訪問介護も提供している定期巡回随時対応型訪問介護看護の事業所でサービスを提供した際の介護報酬について、実際に計算してみましょう。

クライアントが要介護1の認定を受けており、自己負担1割のケースを想定しています。

  • 東京都23区の場合……8,312単位×11.40円=94,756.8円(介護報酬として事業所に支払われる額)/クライアントの自己負担金9,476円
  • 北海道札幌市の場合……8,312単位×10.21円=84,865.5円(介護報酬として事業所に支払われる額)/クライアントの自己負担金8,487円

このような介護報酬の差こそが、地域格差をなくすための差額ということになります。

単位加算のエトセトラ

定期巡回随時対応型訪問介護看護には、上記でご紹介したサービス内容によって決められた単位の他にも、認知症ケア加算や離島などに対する特別地域加算などもあります。

そして特にサービスの質や職員のキャリアアップを推進している事業所に対するサービス提供強化加算も、定期巡回随時対応型訪問介護看護にとって重要な単位加算のひとつです。

定期巡回随時対応型訪問介護看護の単位は3年ごとに見直し。基本を理解して、時代に適応しよう。

介護保険制度で定められた介護報酬の仕組みと、定期巡回随時対応型訪問介護看護における単位や単価の基本についてご紹介してまいりました。

アテンダントとして、クライアントやご家族から「領収書の『単位』ってなに?」と聞かれても簡単に応えられるよう、しっかり制度を覚えておくと良いでしょう。

定期巡回サービス土屋では、自宅での自立した暮らしを続けたいという希望をもつクライアントに対して、定期巡回随時対応型訪問介護看護のサービスを提供しています。

この記事を読んで定期巡回随時対応型訪問介護看護が気になった方や、新しい職場への一歩を踏み出してみたくなった方は、定期巡回サービス土屋までお問い合わせください。

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