超高齢化社会が進む日本では、要介護と認定された後に介護施設に入居するのではなく、住み慣れた自宅で暮らしたいというクライアントをサポートするための介護サービス提供体制が拡充しつつあります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護も、自宅での自立した生活を継続したいと希望するクライアントの日常生活を支える重要な介護保険サービスとして、近年需要の高まりを見せています。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護で中心となるサービスは、24時間体制でクライアントの自宅を訪問して日常生活の介助を行う定期巡回サービスです。
今回は訪問介護とは少し異なる定期巡回ではどのようなサービスが提供されているのか、またヘルパーとして定期巡回で働くことのメリットをご紹介していきます。
定期巡回サービスの特徴
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、2012年に創設された要介護1から5に認定されたクライアントが利用することのできる介護保険サービスです。
ケアプランに必要と定められた日常生活の介助であれば、1日15分程度の訪問を何度でも固定月額制で利用することが可能となっています。
定期巡回と訪問介護の違い①2時間ルールの有無
訪問介護では、1人のクライアントに対して同日中に2回以上の訪問介護サービスを提供する場合は、ヘルパーは次のサービス提供までにおおむね2時間以上の間隔をあけておかないと同一サービスとみなされてしまう、通称「2時間ルール」があります。
そのため例えば寝たきり状態のクライアントが床ずれを防ぐための定期的な体位変換を希望していたとしても、2時間ごとに訪問することは難しくなってしまいます。
一方の定期巡回サービスにおいては2時間ルールのような規定がないため、ケアプランに記載があれば、ヘルパーは次のサービス提供時間との間隔を考慮する必要がありません。
定期巡回と訪問介護の違い②料金
訪問介護では、クライアントが実際にサービスを利用した時間によって毎月介護報酬並びに自己負担金が変動します。
そのため、例えば退院直後などいつも以上に訪問介護の利用頻度が増えた月や、感染症に対する不安から通所型サービスの利用を控えて訪問介護を多めに利用した月などは、支払いが多くなる可能性があります。
一方の定期巡回サービスでは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を構成するその他のサービスである随時対応サービス・随時訪問サービス・訪問看護サービスを含めて、全て固定の月額制で利用することが可能です。(訪問看護の利用有無は選択が可能で、利用しない場合は基本単位数が少なくなります。)
頻回の定期巡回サービス利用を希望している場合や、万が一の場合にすぐ相談できる体制があると安心という方は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のほうが利用料金を抑えられる可能性があります。
定期巡回と訪問介護の違い③提供サービスの区分
訪問介護では、ヘルパーが提供するサービスの性質によって身体介護と生活援助の2種類の介護サービスを提供しています。
身体介護と生活援助の中でも利用時間によって料金は細かく差が設けられているのが特徴です。
定期巡回サービスでは、ヘルパーが提供したサービスの内容や時間による費用の違いはありません。
定期巡回と訪問介護の違い④利用条件
訪問介護も定期巡回サービスも、要介護1〜5に該当するクライアントであれば利用が認められる介護保険サービスです。
ただし定期巡回に関しては、介護保険制度に定められた地域密着型サービスに該当しますので、定期巡回事業所とクライアントの住民票上の住所が一致しないと、利用を申請することができません。
居住地とは違う自治体に所在する事業所を利用することができる訪問介護とは大きく違う点になりますので、注意が必要です。
定期巡回サービスでヘルパーが行うこと
定期巡回サービスでヘルパーが提供するサービスは、身体介助が中心です。
具体的には、食事・排せつ・入浴の介助もしくは体位変換、おむつ交換などがその代表例です。
その他にも安否確認や服薬に関する管理、水分補給に関する声かけなど、幅広いサービスを提供するのが、定期巡回サービスにおけるホームヘルパーの仕事です。
基本的には地域のクライアント宅を車で巡回しながらサービスの提供を行いますので、クライアントに対する特定の担当制などは敷いておらず、事業所のヘルパー陣が協力して複数のクライアントにサービスを提供しています。
定期巡回サービスでヘルパーとして働くメリット
定期巡回サービスでヘルパーとして働くことのメリットは、まずなんといっても24時間のシフト制である点です。
定期巡回サービスは24時間体制でクライアント宅を訪問してサービスを提供していますので、ヘルパーのシフトも24時間制となっています。
事業所の中には深夜・早朝の勤務に対して夜勤手当がつくところもあり、この場合は従来の訪問介護サービスでホームヘルパーをしていたときも若干給与が上がるというメリットがあります。
また訪問介護よりも多くのクライアントと接する機会が多く、随時訪問サービスを担当することもあるため、アテンダントとしての成長につながりやすい傾向にもあります。
短時間でたくさんのクライアントに対してサービスを提供することで、また早急な訪問が必要と思われるクライアントへの対応を行う随時訪問サービスを経験することで自身のステップアップを目指したいという方には、定期巡回での勤務がおすすめです。
定期巡回サービスでヘルパーとして働くために必要な資格
定期巡回サービスでヘルパーとしてサービスを提供するためには、介護福祉士・介護職員基礎研修修了・実務者研修修了・訪問介護員1級・訪問介護員2級・介護職員初任者研修修了のいずれかの資格要件を満たしている必要があります。
また上記の資格に加えて介護福祉士オペレーター資格を保持している場合は、随時対応を担当するオペレーターとして従事することも可能となり、より働き方の幅が広がります。
定期巡回にはヘルパーの力が必要不可欠!定期巡回で働いてみたいという方は、定期巡回サービス土屋にお問合せを。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護における定期巡回サービスが訪問介護と異なっている点、そして定期巡回サービスにおけるヘルパーの情報をご紹介いたしました。
定期巡回サービス土屋では、現在日本全国での定期巡回事業所の展開を検討中です。
改めてヘルパーの仕事が気になった方や、定期巡回サービスで働きたいと感じた方は、お気軽に定期巡回サービス土屋までお問合せください。