在宅で利用できる介護サービス。費用の相場はどれくらいになるのか、徹底解説。

高齢や認知症が要因となって自分だけの力で日常生活を送ることが困難になってくると、介護保険を利用した介護サービスの受給が視野に入ってきます。

利用する介護サービスを選ぶ時に大切になってくるのが、クライアントの困りごとを解消することができる内容の介護サービスや、在宅介護を担う家族にかかる過剰な不安を取り除くことができる内容の介護サービスを選択することと、家計への負担を精査することです。

特に介護はクライアントの介護状態が何年にわたって続くのか、今後大きな病気を発症したり新たな疾患にり患したりするのか誰にも分かりませんので、ある程度まで介護が長期化することを前提として、費用計算を行う必要があります。

そこで今回は、住み慣れた自宅での生活を継続しながら利用することのできる介護サービスを中心に、費用の相場をご紹介していきます。

介護サービスの利用を検討中の方に分かりやすい内容となっていますので、ぜひご確認ください。

目次

介護保険制度の費用を算出する方法

介護保険制度は、自治体による介護度認定によって要支援もしくは要介護の区分であると認定されると、利用が可能になる制度です。

介護保険制度が適用となる介護サービスを利用した場合、そのサービスの内容やクライアントの介護度によって定められた単位を加算・減算していくことによって、介護報酬が算出されます。

介護報酬のうちクライアントの収入や所得金額に応じて1割〜3割が自己負担となり、残りの7割〜9割は自治体から介護事業所にその金額が支払われます。

2000年に現行の介護保険制度がスタートして以降、介護報酬は質の高い介護サービスの提供と優秀なアテンダントの確保につながるように、3年に1度の見直しが行われています。

介護サービスの支給限度

介護保険制度が適用になる介護サービスは、介護度に応じて支給限度が定められています。

区分支給限度介護サービス費(月額)の目安利用者負担額(月額)の目安
要支援15,032単位50,320円5,032円
要支援210,531単位105,310円10,531円
要介護116,765単位167,650円16,765円
要介護219,705単位197,050円19,705円
要介護327,048単位270,480円27,048円
要介護430,938単位309,380円30,938円
要介護536,217単位362,170円36,217円
※地域単価10円での計算

クライアントが介護保険の適用範囲内で利用することのできる介護保険サービスの量は、上記の表で「支給限度」と定められた単位が上限となっています。

そのため「利用者負担額(月額)の目安」を超えた金額に関しては完全に自己負担となりますので、それぞれの介護サービス費用の相場を確認しておきましょう。

訪問型サービスの費用相場

訪問型サービスは、自宅で暮すクライアントをアテンダントが訪問し、クライアントの自宅を起点としたサービスを提供する介護サービスです。

主にクライアントが日常生活のなかで感じている困りごと、具体的には入浴や排泄・食事などの身体介護や、掃除や炊事・洗濯といった生活支援に対してサポートを行うことで、クライアントの自立した生活の継続を支援します。

訪問介護の費用相場

訪問介護は、アテンダントが自宅を訪問して、身体介護もしくは生活支援を行うサービスです。

基本的な利用料の目安は、以下の通りです。

区分1回当たりの所要時間基本利用料自己負担(1割)
身体介護20分以上30分未満250単位 (2,500円)250円
30分以上1時間未満396単位 (3,960円)396円
1 時間以上1時間30 分未満579単位 (5,790円)579円
身体介護(延長)1時間30分以上(30分増すごとに加算)84単位  (840円)84円
生活援助20分以上45分未満183単位 (1,830円)183円
45分以上225単位 (2,250円)225円
※地域単価10円での計算

したがって、介護保険の支給限度内で1回45分程度の訪問介護サービスを利用した際の費用の相場は、およそ396円です。

実際には上記の表に対して、事業所の所在地による加算や、事業所の運営体制による加算なども加味されますので、1回あたり450円程度と把握しておくと、費用相場の目安になります。

訪問看護の費用相場

訪問看護は、主治医の診断に基づいて療養上の世話や服薬の管理を行うことを目的に、看護師や准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に該当する医療従事者が、クライアントの自宅を訪問して提供する介護サービスです。

バイタルのチェックはもちろんのこと、在宅酸素や人工呼吸器に代表される医療デバイスの管理、床ずれの手当、そしてターミナル期の対応なども担います。

またクライアント本人や家族からの相談に対してアドバイスを行ったり、介護指導や栄養管理の指導などを行います。

種別1回当たりの所要時間基本利用料自己負担 (1割)
看護師 による訪問20分未満313単位(3,130円)313円
30分未満470単位(4,700円)470円
30分以上60分未満821単位(8,210円)821円
60分以上1時間30分未満1,125単位(11,250円)1,125円
理学療法士 作業療法士 による訪問1回あたり20分 (A)293単位 (2,930円)293円
1回あたり40分(A×2回)              (5,860円)586円
1回あたり60分(A×3回)×90%              (7,911円)791円
※地域単価10円での計算

したがって、介護保険の支給限度内で1回45分程度の看護師による訪問看護サービスを利用した際の費用の相場は、およそ821円です。

訪問看護と同様に実際には上記の表に対して、事業所の所在地による加算や、事業所の運営体制による加算なども加味されますので、1回あたり850円程度と把握しておくと、費用相場の目安になります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の費用相場

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、先にご紹介した訪問介護や訪問看護とは異なり、月額が固定されている介護保険サービスです。

介護度に応じて利用料金が定められているなかで、定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護の4サービスを24時間365日にわたって利用することが可能になっています。

それぞれのサービスの利用頻度によって料金が変動することはなく、安心して必要量の介護サービスを受給することが可能になっています。

看護師による訪問看護あり准看護師による訪問看護あり訪問看護なし
要介護18,312単位(8,312円)8,146単位(8,146円)5,697単位(5,697円)
要介護212,985単位(12,985円)12,725単位(12,725円)10,168単位(10,168円)
要介護319,821単位(19,821円)19,425単位(19,425円)16,883単位(16,883円)
要介護424,434単位(24,434円)23,945単位(23,945円)21,357単位(21,357円)
要介護529,601単位(29,601円)29,009単位(29,009円)25,829単位(25,829円)
※地域単価10円での計算
※()内は自己負担が1割のときの請求金額

要介護度や訪問看護の利用有無によって料金は大きく変動しますが、5,600円〜30,000円の範囲が、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の費用相場といえます。

重度訪問介護の費用相場

重度訪問介護は、重度の肢体不自由や重度の知的障害・精神障害等を患っていて、恒常的な介護を必要としているクライアントに対する介護サービスです。

訪問介護と同様に、身体介護や生活援助が提供サービスの中心となっています。

1回当たりの所要時間基本利用料自己負担(1割)
重度訪問介護30分以上1時間未満185単位 (1,850円)185円
1時間以上1時間30分未満275単位 (2,750円)275円
1時間30分以上2時間未満367単位 (3,670円)367円
2時間以上2時間30分未満458単位 (4,580円)458円
2時間30分以上3時間未満550単位 (5,550円)550円
3時間以上3時間30分未満640単位 (6,400円)640円
3時間30分以上4時間未満732単位 (7,320円)732円
4時間以上8時間未満 817単位に30分増すごとに85円単位加算
8時間以上12時間未満 1,497単位に30分増す毎に自己負担85単位加算
12時間以上16時間未満 2,172単位に30分増す毎に自己負担80単位加算
16時間以上20時間未満 2,818単位に30分増す毎に自己負担86単位加算
20時間以上24時間未満 3,500単位に30分増す毎に自己負担80単位加算
※地域単価10円での計算
※障害支援区分4~5に該当する重度訪問介護Ⅲを利用する場合

したがって重度訪問介護を45分程度利用した場合の費用相場は185円、加算等も加味すると1回あたりが200円程度と考えられます。

ただし、自己負担額には世帯所得に応じた負担上限額が設定されています。

原則として低所得者は自己負担がなく、無料でサービスを受けることができます。

世帯収入が一定以上ある場合は、月9,300~最大37,200円の自己負担をすることが定められています。

通所型サービスの費用相場

ここまでご紹介した訪問型のサービスと異なり、クライアントの自宅ではなく、介護事業所内で主に日帰りや数日間の宿泊によって提供される介護サービスが、通所型サービスです。

通所型サービスは主にリフレッシュや心身の健康維持を目的としている介護サービスが中心です。

通所介護(デイサービス)の費用相場

通所型サービスのなかでも最もポピュラーな介護サービスが、デイサービスです。

デイサービスに通うクライアントは、自宅まで迎えに来た送迎車に乗って事業所に向かいます。

事業所のなかでは軽い運動やレクリエーションを楽しんだり、提供される昼食やおやつを味わい、他のクライアントやアテンダントとのコミュニケーションを図り、気分転換やリフレッシュにつなげていきます。

実際に株式会社土屋が提供しているデイホーム土屋が該当する地域密着型通所介護が提供するデイサービスの場合、基本単位は以下の通りです。

要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
2時間以上3時間未満305単位 (305円)349単位 (349円)395単位 (395円)439単位 (439円)485単位(485円)
3時間以上4時間未満415単位 (415円)476単位 (476円)538単位 (538円)598単位 (598円)661単位 (661円)
4時間以上5時間未満435単位 (435円)499円 (499円)564単位 (564円)627単位 (627円)693単位 (693円)
5時間以上6時間未満655単位 (655円)773単位 (773円)893単位 (893円)1,010単位 (1,010円)1,130単位 (1,130円)
6時間以上7時間未満676単位 (676円)798単位 (798円)922単位 (922円)1,045単位 (1,045円)1,168単位 (1,168円)
7時間以上8時間未満750単位 (750円)887単位 (887円)1,028単位 (1,028円)1,168単位 (1,168円)1,308単位 (1,308円)
8時間以上9時間未満780単位 (780円)922単位 (922円)1,068単位 (1,068円)1,216単位 (1,216円)1,360単位 (1,360円)
※()内は自己負担が1割のときの請求金額

一般的なデイサービスがおおよそ7時間以上8時間未満の時間で運営されていると考えると、デイサービスの費用のうち、基本料金の相場は750円〜1,300円程度と考えることができます。

さらにデイサービスは昼食やおやつの提供がありますが、この食費に関する部分は介護保険制度の適用になりません。

したがってデイサービスの費用を計算する際には、上記の基本料金に加えて食費の相場である500円を追加して考えるとよいでしょう。

介護サービスの費用は、内容によって大きく異なる!予め相場を把握して、必要量の介護サービスを利用しよう

株式会社土屋グループで提供しているサービスを中心に、各種介護サービスの費用相場をご紹介いたしました。

上記の金額はあくまでも参考値となっていますので実際に介護サービスの利用を始める際は、各事業所までお問い合わせをお願いいたします。

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