定期巡回・随時対応型訪問介護看護について知りたい!どんな看護が提供されているの?

年齢を重ねて筋力や気力が落ち込んできたり、認知症の発症、脳卒中に伴う後遺症などの症状が出たりしてくると、日常生活の様々な動作に介助が必要になってきます。

自治体の認定調査によって要介護区分に認定されたクライアントは、生活を送る上で様々な介助が不可欠な状態といえますが、クライアントによっては「できるだけ自宅で暮らし続けたい」「住み慣れた自宅を離れたくない」という意思をもっている方も多くいらっしゃいます。

このような方々に対して24時間365日、必要な介護や問い合わせ対応を行う制度が、定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。

日常の介助や緊急時の対応はもちろんのこと、看護師や准看護師による訪問看護も提供されていますので、健康面からも安心して自宅生活を継続できる仕組みが整っています。

今回は定期巡回における看護について、詳しくご紹介していきます。

目次

定期巡回・随時対応型訪問介護看護で提供される訪問看護サービス

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護から構成されている、地域密着型の介護保険サービスです。

要介護と認定されたクライアントは、居住する自治体の認可を受けた事業所によるサービスの提供を受けることが可能になります。

特に訪問看護は、高齢や認知症、脳卒中の後遺症など健康状態に不安を感じている方が安心して自宅生活を継続することができるよう、医師の指導に基づく医療的なサポートが提供されます。

訪問看護を担当するアテンダント

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に含まれる訪問看護を担当するアテンダントは、看護師もしくは准看護師の国家資格保持者、または保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士となっています。

実際に訪問看護を提供するアテンダントが看護師であるか准看護師であるかによって基礎単位が若干異なりますが、提供されるサービスは医師の訪問看護指示書に基づいて行われますので、違いはありません。

また訪問看護を看護師が行った場合、看護師は訪問看護サービスについて、訪問日や提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成することが義務付けられています。

訪問看護の利用条件

訪問看護を利用するためには、主治医による訪問看護指示書が必要です。

訪問看護で提供されるサービスは医療行為になりますので、訪問看護指示書がない場合は訪問看護サービスを利用することができません。

ただし定期巡回・随時対応型訪問介護看護は訪問看護を利用せず他の3サービスのみで利用することが可能となっています。

訪問看護なしで定期巡回を利用する場合

「定期巡回は利用したいけれど、訪問看護の必要はない」というクライアントの場合、訪問看護なしで定期巡回・随時対応型訪問介護看護の3サービスを中心に制度を利用することも可能です。

ただし訪問看護を利用していない場合であっても1~2カ月に1回程度、看護師もしくは准看護師が自宅を訪問し、アセスメントと呼ばれる看護師による状況確認を行うことが定められています。

訪問看護で提供されるサービスの内容

訪問看護で提供されるサービスは、医師の訪問看護指示書に基づきます。

具体的なサービス内容の一例は、以下の通りです。

  • 糖尿病の持病があるクライアントに対するインスリン注射の投薬確認、もしくは投薬補助
  • 便秘改善を目的とした、下剤による排便のコントロール
  • 寝たきり状態が原因の褥瘡(床ずれ)に対する消毒行為など
  • 意思の疎通が難しいクライアントに対するバイタル測定
  • 自足歩行が困難なクライアントの尿カテーテル管理

このほかにもクライアントや家族からの相談に対する対応も行います。

最期の時を支える訪問看護

また定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問看護では、医師から余命宣告を受けたターミナル期のクライアントへの対応、また自宅から旅立つ看取りの対応などを求められることもあります。

緊急時には医師の指示に基づいた適切な処置を行うことも、訪問看護に従事する看護師には求められます。

訪問看護の頻度と回数

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に含まれる訪問看護を利用する場合、利用する頻度や回数に上限はありません。

医師の訪問看護指示書および看護師によるアセスメントを踏まえて、各事業所に在籍している計画作成責任者が一人ひとりのクライアントに必要な回数、時間、サービス内容を決定し、人員を配置します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の介護報酬は月ごとに定められた一定の料金となっていますので、深夜や早朝などの時間帯を問わず、必要量のサービスを家計への負担を心配することなく利用できる制度となっています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する事業所

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域包括ケアシステムの中に位置する地域密着型の介護保険サービスとなっています。

そのためクライアントは居宅と同じ自治体の認可を受けている事業所の中から、利用する定期巡回事業所を選択する必要があります。

また定期巡回・随時対応型訪問介護看護は「1日に複数回の訪問を繰り返す」「緊急時は休日・夜間を問わずアテンダントが居宅を訪問する」というサービスの特性上、「事業所からクライアントの自宅までの所要時間が、車でおおよそ30分以内」という利用目安を定めている場合もあります。

2種類の定期巡回事業所

定期巡回を提供する事業所は、一体型と連携型の2種類があります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に含まれる4サービス全てを同一事業所が提供する場合は一体型、訪問看護のみ別の事業所が提供する場合は連携型によるサービス提供となります。

どちらの事業所を選んでも介護報酬に違いはありません。

ただし訪問看護の利用有無によっては、介護報酬に差が生じます。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のキーポイントは訪問看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のなかでも、クライアントの健康や持病に直結するサービスである訪問看護は、超高齢化社会を迎えた日本においてとても重要なサービスです。

また定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供していくなかで、訪問看護の利用有無は介護報酬にも関わってくるサービスになります。

改めて定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問看護について理解を深めておきましょう。

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