自宅で生活を続ける要介護クライアントに対して、24時間の訪問体制を整えた介護保険サービスが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護という4つのサービスで構成される地域密着型の介護サービスとなっています。
なかでも訪問看護については「連携型事業所」から提供される場合と「一体型事業所」から提供されるケースがあり、それぞれの場合でサービスコードも異なります。
そこで今回は、連携型事業所と一体型事業所についての違いをご紹介しながら、定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問看護のサービスコードについてご紹介していきます。
あらためてサービスコードの仕組みについて知りたいというアテンダントの方は、どうぞ最後までご確認ください。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する事業所
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域密着型の介護サービスとして、市区町村に登録した事業所が提供する介護保険サービスの一種です。
24時間の対応体制を整えていることが大きな特徴で、高齢や認知症の発症を理由に要介護と認定されたクライアントが自宅での生活を継続する上で非常に重要なサービスです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護という4サービスから成り立っていますが、このうち訪問介護をどの事業所が提供するかによって、2パターンの事業所があります。
一体型事業所
1つの事業所が、訪問看護を含めた4サービスの全てを提供しているケースを一体型事業所といいます。
一体型事業所の場合は介護と看護の連携が取りやすく、クライアントに関する情報共有もスムーズに行うことができるというメリットがあります。
連携型事業所
定期巡回・随時対応・随時訪問のサービス提供体制を整えた「連携型事業所」が、訪問看護を提供している事業所と連携することで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供することも可能です。
連携型事業所の場合は2つの事業所が連携して定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供していくため、広く地域の情報などを網羅している可能性が高まります。
またすでに訪問看護を利用しているクライアントが定期巡回・随時対応型訪問介護看護に切り替えるといった場合でも、従来の訪問看護事業所を活用しながらサービスの切り替えができるというメリットが挙げられます。
介護保険におけるサービスコード
2000年から介護業界では「介護給付費単位数サービスコード」という仕組みが導入されています。
介護保険サービスの内容ごとに割り当てられた6桁のコードを用いて明細書などを発行することによって、介護サービスの明細などがわかりやすくなる仕組みになっています。
現在では25,000以上のサービスコードが発番されており、厚生労働省から発表されているサービスコード表で確認することができるほか、給付管理機能がついたケアマネ支援ソフトなどにはサービスコードが登録されています。
サービスコードの仕組み
介護給付費単位数サービスコードは、数字またはアルファベットの大文字(I・O・Q以外)の6桁で構成されています。
6桁のうち最初の2桁が「サービス種類コード」、下4桁が「サービス項目コード」となっています。
特に定期巡回・随時対応型訪問介護看護はサービス種類コード「76」が割り当てられていますので、76から始まるサービスコードの場合は全て定期巡回・随時対応型訪問介護看護にまつわるサービス利用だということがわかります。
定期巡回の連携型事業所で訪問介護を利用した場合
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を連携型の事業所(訪問看護サービスのみ異なる事業者が提供する形)で利用した場合、サービス種類コードに続いて「12」からはじまるサービス項目コードを使用する形になります。
サービス種類コードの3桁目(7612の次の数字)は、クライアントの介護度を表す数字が入ります。
サービスを利用するクライアントが要介護1の場合は1、要介護5の場合は5が入るような形です。
そして最後の1桁は、訪問看護サービスを提供するアテンダントが、看護師なのか准看護師なのかを示しています。
看護師が提供した訪問看護の場合は末尾が1、准看護師が提供した訪問看護の場合は末尾が3になります。
(例)
要介護4のクライアントが定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスを利用し、うち訪問看護に関しては准看護師が担当した場合のサービスコード:761243
要介護5のクライアントが定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスを利用し、うち訪問看護に関しては看護師が担当した場合のサービスコード:761251
連携型事業所を利用した場合の明細書
連携型事業所を利用して定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用した場合、介護報酬や加算に関する明細書などは、訪問看護を提供している事業所が作成することになります。
その他の特別加算などに関しても正しく理解する必要があるので、適宜確認しておきましょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する特別加算①地域加算
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供した地域が厚生労働省の定める特定の条件に当てはまる場合は、地域加算を追加することができます。
具体的には、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算(サービスコード:768110)や、介護サービスの確保が著しく困難であると認められる特別地域等において、要介護者に対する介護サービスの確保に貢献する事業所を評価するための特別地域加算(サービスコード:768000)などです。
地域的な特性から介護サービスへの参入のハードルが高い地域において定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する事業者に対する報酬となりますので、該当地域で事業展開をしている場合は必ず上記のサービスコートを用いて、介護報酬を計上する必要があります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する特別加算②処遇改善加算
2019年に新しく設定された介護職員等特定処遇改善加算では、経験や技能の豊富なアテンダントに対して、特別に介護報酬を設定することが可能となっています。
介護職員等特定処遇改善加算は、定期巡回特定処遇改善加算Ⅰ(サービスコード:766118)と定期巡回特定処遇改善加算Ⅱ(サービスコード:766119)が設定されています。
こちらも地域加算同様に、該当するアテンダントが在籍していることで申請が可能となっている事業所では、必ず報酬を加算しましょう。
定期巡回の連携型事業所で、訪問看護を利用した場合のサービスコードの仕組みを理解しておこう
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、連携型事業所と一体型事業所のどちらでもサービスを提供することができる、24時間365日体制の介護福祉サービスです。
定期巡回と随時対応・訪問のみを利用し、訪問看護を利用しないという選択肢もありますが、連携型事業所を利用して訪問看護サービスを受けることも可能です。
サービスコードの見方も一度覚えてしまえば規則性があってわかりやすくなっていますので、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関わる方は、ぜひこの記事を参考に覚えてみてくださいね。