介護業界で働くなかで、身近に感じるようになるのが「死」の存在です。
死は誰もが平等に経験するものであり、特に高齢や認知症などを理由に介護を必要としている方にサービスを提供するなかでは、最期の時を迎えつつあるクライアントと接する機会も少なくありません。
特に自宅で暮らし続けたいと願うクライアントに対して24時間体制の介護サービスを提供している定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、終末期を迎えたクライアントに対してどのように接しているのでしょうか。
今回は定期巡回と終末期というテーマで、定期巡回の働き方をご紹介していきます。
なお定期巡回サービス土屋では、日本各地で定期巡回事業所を展開し、終末期も含めて「自宅での生活を継続したい」と考えるクライアントに対しての介護サービスを提供しています。
定期巡回への転職や就職が気になった方は、どうぞお気軽に定期巡回サービス土屋までお問い合わせください。
定期巡回とは
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護が必要と認定された後も介護施設に入居することなく、自宅での生活を継続したいと考えているクライアントに対して提供する介護サービスです。
24時間365日、休日や時間帯を問わずサービスを提供しているうえに、利用料金が月額制で固定されていますので、金銭面での不安を感じたり、時間帯を懸念したりすることなく、自分らしく住み慣れた自宅に住み続けるために必要な介護サービスを利用可能な仕組みとなっています。
定期巡回の働き方
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する定期巡回事業所は、一体型と連携型の2種類に分類されます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護の4サービスで構成されていますが、これらの4サービス全てを提供する機能を有している事業所が、一体型です。
4サービスのうち訪問看護の機能を持たず、訪問看護ステーションなどとの連携によってサービスを提供しているのが連携型となります。
定期巡回は24時間365日体制でサービスを提供していますので、アテンダントは基本的に固定の担当を持たず、シフト制で業務にあたります。
定期巡回で終末期に提供するサービス
定期巡回は住み慣れた自宅や慣れ親しんだ地域での生活継続を希望するクライアントに対して、介護と看護が一体となったサービスを提供していきます。
「旅立ちの時は自宅で迎えたい」と考えているクライアントに対しても、その意向にできる限り寄り添った対応を行います。
定期巡回で終末期に提供するサービス①看取り
本人や家族の希望を最大限に汲み取り、無理な延命治療を行うことなく人間らしく旅立つことを目的としたサービスです。
死が近い将来に訪れると判断されていても経管栄養や人工呼吸器の装着などといった医療的なケアを行わず、自然なタイミングで旅立つことを希望するクライアントに対して提供されます。
近年は超高齢化の進行や尊厳死の概念が普及したことによって自宅での看取りを希望するクライアントも非常に多く、クライアントや家族が安心して最期のときを迎えることができるようなサポートが、定期巡回には求められています。
定期巡回で行う看取りの内容
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、年中無休でクライアントや家族からの緊急的な相談を受け入れる体制(随時対応)や、相談の内容によっては緊急で自宅を訪問する体制(随時訪問)を有しています。
そのため例え深夜や早朝にその時がきたとしても、すぐにアテンダントに連絡がつき、必要な介護サービスの提供を受けられるというメリットがあります。
また利用料金が月額固定制となっていますので、終末期を迎えて頻繁な体調の変化がある場合でも安心して利用することが可能です。
定期巡回で終末期に提供するサービス②終末期医療(ターミナルケア)
終末期医療は、看取りと同様にクライアントの尊厳を損なわない形、具体的には医療の力による延命措置を行わない旅立ちをサポートするサービスです。
ただし「医療」という単語が含まれている通り、終末期医療においては医療行為を通してクライアントの肉体的・精神的な苦痛を取り除いていきます。
残された生活の質(QOL)を可能な限り高め、自分らしく旅立つことができるように必要最小限の医療的なケアでクライアントをサポートするのです。
定期巡回で行う終末期医療の内容
定期巡回の終末期医療では、医師の指示に基づいて肉体的苦痛の緩和を目的とした鎮痛剤や麻酔の投薬を行います。
医療行為に関しては、定期巡回のなかでも看護師資格を持つ訪問看護部門のアテンダントによる処置が中心です。
また家族と相談して、可能な限り精神面のケアや社会的なケアを行いながら、旅立ちの時をクライアント自身が納得して迎えられるようにサポートしていきます。
定期巡回で終末期にサービスを提供する際の注意点
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は時間帯や頻度を問わず利用することが可能な介護保険サービスですので、「自宅から旅立ちたい」というクライアントや「終末期を自宅で心穏やかに過ごしたい」というクライアントからの問い合わせが非常に多いです。
定期巡回を利用しているクライアントに対しては看取りや終末期医療の提供も可能となりますが、終末期に介護サービスを提供するためには必ずクライアントと家族が、必要以上の延命措置を行わないという点に同意している必要があります。
また医師やケアマネージャー、定期巡回以外に利用している介護サービスのアテンダントなどとも適切に情報共有を行い、全員が一丸となってクライアントの終末期を支えていかなくてはいけません。
特に終末期はクライアント本人に対する適切なケアを、必要に応じてケアプランの変更をしながら行っていきますが、クライアントの家族に対するケアも同じくらい重要です。
死に向かって徐々に落ちる食事量や、痛みを感じる身体に対する頻回の身体介助など、家族も初めて経験する終末期に対して不安や疑問を抱いていますので、適切な相談対応を行っていきましょう。
定期巡回は終末期にも寄り添ったサービス。クライアントや家族の意志を最優先しよう
定期巡回での勤務を考え中の方にも分かりやすく、定期巡回のなかで提供される終末期への対応についてご紹介いたしました。
定期巡回は24時間365日、月額固定制で利用可能というサービスの特性上、特に終末期に利用したいというご要望も多いサービスとなっています。
改めて終末期に提供するサービスに関しては、事前にしっかりと確認しておきましょう。